コラム
2023.06.06
ビニールハウスの解体は自力でできるの?
農家の方だけではなく、最近は本格的な家庭菜園でもビニールハウスを利用する人が多いですね。
しかし、もしもそのビニールハウスが不要になった場合はどのように解体すべきなのかということは、あまり聞いたことがないかもしれません。
家屋などと違って、割と手軽に解体できてしまいそうなものですが、はたして自力で解体できるものなのでしょうか。それとも、やはりきちんと業者に頼むべきものなのでしょうか。また、自力で解体するときに必要な道具や注意点などはあるのでしょうか。
ビニールハウスとは
ビニールハウスの多様な使いみち
1年を通して安定した環境で作物を育てることができるビニールハウス。農家さんはもちろん、一般家庭でも規模の大きな家庭菜園ツールとしてよく使われます。
近年はビニールハウスの屋根にソーラーパネルを設置して、太陽光発電をしながら農業を営む「ソーラーシェアリング」というやり方も広まりつつあり、ビニールハウス栽培もどんどん新しい形を取り入れていっているといえます。
いろいろと便利な使い方ができるビニールハウスですが、老朽化して寿命を迎えればもちろん解体の必要が出てきますよね。
構造は、家屋などと比べればもちろん単純ではありますが、かといってはたして自力で解体は可能なのでしょうか。
ビニールハウスは産業廃棄物
ビニールハウスを処分するとしたら、単純にゴミ分類は「産業廃棄物」の扱いとなります。
「農ビ(農業用塩化ビニールフィルム)」、農PO、農ポリ(ノーポリ)(ポリオレフィン製品)「農PE(農業用ポリエチレンフィルム)」、「農PO(農業用ポリオレフィン系特殊フィルム)」などといったものに分別することができ、リサイクル資源として活用することができます。
不法投棄はもちろんもってのほかですが、貴重なリサイクル資源なので野焼きなどもしてはいけません。自力で解体する場合でも、業者にお願いする場合でも、適切な処分方法をとるようにしましょう。
ビニールハウスの解体を自力で行うには
ビニールハウスを自力で解体することは、場合によっては不可能ではありません。特に簡易的な構造であれば、「パイプが地中に刺さっているだけ」なので、ビニールを外してパイプを抜けばそれで終了ということもあります。ただし、老朽化が進んでさびがひどかったり、地中深くまでパイプが埋まっていたりという場合は、自力の作業はかなり困難になる可能性があります。
自力で解体する際の注意点
ビニールハウスは構造が比較的単純に見えるため、解体工事も簡単にできそうな気がするものです。
しかし、素人が行うには相応の準備と時間が必要です。決して甘く見ず、時間と心に余裕をもって手をつけることが大切です。
また、行う時期や季節も重要です。暑さや寒さが厳しすぎる時期の慣れない重労働は、容易に事故やけがにつながる恐れがあります。特に鉄類は、夏は非常に熱を持ち、逆に冬は驚くほど冷え切ります。手に取るだけで身体にダメージを負うという可能性もあるのです。
ビニールハウス解体を業者に頼む場合
自力で解体することができれば、費用面で大幅に節約できるのは間違いないでしょう。その代わり、時間はかなりかかります。また、ケガや事故などの危険が伴う可能性があったり、重労働が面倒だったりするというデメリットももちろんあります。
中には一度自力で挑戦してみて、やはり困難を感じて「業者に頼んでおくのが無難だ」という結論に達するケースもあるでしょう。
では、ビニールハウスの解体を業者にまかせる場合のポイントを確認していきましょう。
値段相場
ビニールハウスの解体を業者に頼む際、1番気になるのはやはり費用の相場ですよね。
一般的には「1坪5,000円~」というのが目安になるようです。30坪であれば15万円~ということですね。しかしこれは本当にあくまで目安で、安さをうたっているところでは「1坪500円~」というような業者もあるようです。
条件によって価格の変動が大きくなる場合もあるので、まずはよく確認してみることが必要です。
かかるのは、解体作業の費用だけではない!?
上記は、あくまで「解体作業にかかる費用」です。
これにプラスして、解体によって出たプラスチックや木材などの処分費用や運搬費が別途かかったり、逆に解体工事後に廃材を買い取ることでその分を費用から差し引いてくれたり、鉄類をすべて引き取る代わりに解体工事は無料、というケースもあり、さまざまな料金形態が存在します。やはり事前にしっかり確認しましょう。
費用面を重視して、業者に頼まず自分で解体工事を済ませてしまおうというのはもちろんひとつの選択肢として間違いはないでしょう。
しかし逆を言えば、費用にこだわらなければケガや事故などの危険を回避し、時間と面倒がかからずに済むというのが業者にお願いするメリットです。