コラム
2023.05.29
竹の駆除は大変!それはなぜか?
竹の駆除は根絶やしが基本
食べるとおいしいタケノコですが、もしご自宅の周辺に生えていたら「ラッキー!」と思いますか?それとも「大変だ!」と危機感を抱きますか?
ご自宅の周辺に竹やタケノコが生えていると地下からその根が伸びてきて、やがては自宅の敷地内にもタケノコが生えてきます。そうなってはもう竹を完全に駆除することは大変困難になります。
竹を駆除することは、ほかの雑草とは異なり容易ではありません。
なぜ竹の駆除は困難を極めるのでしょうか。その理由は竹の生態上の特性にありました。
竹の生態
竹は春から夏にかけて著しい成長をみせ、1日で1m以上も伸長するほど非常に強い成長力をもっています。また竹の根は地下で伸びて広がり、そのスピードは1年でおよそ8mといわれています。この根の形態を「地下茎」といいます。
竹はこのようにして地下茎を周辺へ伸ばし、その地下茎からタケノコを地上へ発生させて分布を拡げていきます。タケノコは地下の貯蔵養分を使って成長するので、暗い林の中であっても立派に成長することができる特性をもっています。
このような強い成長力を特性としているため、放置された竹林の近くにある田畑は、地下から竹根が侵入して農作物を枯らす恐れがあります。また周辺に民家がある場合は、同じように民家の床下からタケノコが生え、それを放置すると竹が床を突き抜ける恐れがあります。
竹の基本的な駆除方法について
伐採
非常に手間のかかる作業になりますが、竹を駆除するための基本的な方法です。伐採をするタイミングとしては、初夏から夏にかけてタケノコが成長して養分を使い果たす時期が効果的です。
竹を短く切り過ぎると、つまずきやすくなり危険なため、通常は50cm~ 1mくらいの高さに切ります。また切り口は、斜めになると刺さるリスクが高くなります。そのため、切断面は水平になるように切りましょう。
伐採は竹の根が生き残ります。そのため伐採後も竹草が生えて、竹は成長します。生えてきた竹草は見付け次第、再度刈る必要があるため、半永久的にこの作業を行わなければなりません。
根を掘る
地下茎で増える竹を完全駆除するには、その根を地中から取り除かなければなりません。竹は地中に根が残っていればいくらでも復活することができます。
竹の根は地下およそ30cm~1mのところを伸びていきます。またタケノコや竹が生えている位置から、その根の先端までは2m離れていることもあります。そのため、これらの根をすべて手動で掘り起こすことは困難を極めるでしょう。
もし行うのであれば、小型ユンボなど重機を利用する必要がありそうです。しかし、竹が生えている場所によっては、土手が崩れる危険性もあるため、土地によってはこの根の掘り起こしを行うことができません。
農薬
タケノコもしくは伐採した竹に穴を開け、そこに農薬を注入する方法します。農薬を入れた穴に雨が入らないようにガムテープを巻いておくとやがて枯れます。
この作業を行うタイミングは、春から秋までの暖かい時期に行うのが効果的です。
竹は地下茎でつながっていますが、隣の竹であっても地下茎がつながっているとは限りません。そのため全てのタケノコ、竹に行うことがポイントです。
およそ半年から1年で9割以上の竹が完全に枯れますが、枯れなかった竹は再び農薬を多めに注入して、枯れるまで繰り返すといいでしょう。竹は枯れると葉が全て落ちてきますので、その竹の状態によって地下茎が枯れてきているのかを判断することができます。
この方法は比較的高い効果を期待できますが、翌年出てきたタケノコは食べられないので気を付けましょう。
竹の根を根絶やしにするには
竹の駆除は絶滅させることが難しいようですが、ポイントは竹の根を弱らせることです。
本来であれば、竹の根を完全に取り除くことが最も理想的です。しかし現実問題、それが難しいこともあるかと思います。そのような場合は、ノコギリで複数個所を切断し、蕎麦やトマトなどの吸肥力が強い作物を栽培し、竹の根を弱らせる方法があります。
この他、除草剤などの農薬を撒くなど、伐採と併用して行うと効果が期待できるでしょう。